ボーボーMAX対談「下地会長、沖縄経済界トップの扉を叩く!」

●那覇YEG スペシャル企画──ボーボーMAX対談「下地会長、沖縄経済界トップの扉を叩く!」

第2回/ 石嶺 伝一郎(那覇商工会議所 会頭・沖縄電力株式会社 取締役会長)×
下地勇気(那覇商工会議所青年部会長)

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(1. 石嶺式仕事論、人生観について)

○自己実現という言葉に逃げていないか。
今いるこのポジションで輝く努力をしよう。

下地:まずは、沖縄を代表する企業・沖縄電力取締役会長としての思いやご自身の経験、経営理念などから編み出される仕事論や人生観をお聞かせください。

石嶺:私が沖縄電力(当時・琉球電力公社)に入社したのは昭和47年。約半世紀前になるわけです。電力会社はご存じのように公益性の強い企業で安寧としたイメージがあるかもしれませんが、決してそうではなく、私自身は幾度となく心折れそうな困難にぶちあたりながらもやってきました。そんな私の経験から言えること、特に今の若い人たちに伝えたいのは「自己実現という言葉に逃げるな」ということです。

下地:会頭はこうした風潮を以前から懸念されていますね。

石嶺:自己実現という言葉を盾にして、この仕事は自分に合わない、やりたかったことではないと言い、すぐに辞めてしまう。安易に仕事を変えていく。自分に合う合わないは、とことんやってみないと分からないはずなんです。まずは与えられた事に打ち込んで、そこで頑張ってみる。そうするうちに、今まで自分でも気づかなかった強みに気づき、仕事が面白くなっていく。人はその場その場で、与えられた部分で頑張って輝くことができ、周りの人々からの信頼も得ていく。その1つ1つの積み重ねが本人のキャリアとなり、自信にもつながるわけですからね。

下地:本当におっしゃる通りだと思います。僕らも商工会議所という組織のもと、様々なことに挑戦して行くうえで、人によっては苦手なこともあるだろうし、嫌だなと思うこともあるはずです。でもそこでこそ、成長しようという意識をもって挑戦しないと、やる本当の意味や価値はない。今、会頭がおっしゃったように、苦手から逃げるのではなく、まずやってみる。その時、万が一失敗しても果敢に挑戦した自分に価値があるし、その失敗は必ずや次の成長の糧になると考えると、挑戦したこと自体に悔いはなんですよね。

石嶺:まさにそう。基本的に逃げてはいけない。再三言いますが、苦手とすることにも正面から向き合っていくと、意外と自分に向いているのかと気づきがあるかもしれない。そうすると興味が湧き、掘り下げていくと、さらに掘り下げていきたくなり、こう、前のめりになっていくんですよね。

下地:前のめり!いい響きですね!(笑)

石嶺:確かに自己実現は大事ですが、その手段としてまさに今、向き合っている仕事でもってここにいる自分をもっと進化させていくんです。そこには我慢も辛抱もあり、苦しみもあれば逃げ出したくなることも多々あるでしょう。でも、乗り越えることでどれだけ自分に力がつき、人としても磨かれていくかということを若い人たちに知って欲しい。いつもそう考えています。

下地:僭越ですが僕も同じ気持ちです。僕自身飲食店を経営していますが、スタッフの早期離職が多く、人材の確保や育成は常に課題となっています。せめて2年3年と続けて、何かがガラリと変わる感じを掴んで欲しいのですが。

石嶺:そう、景色が変わってきますよね。私は何も滅私奉公をしなさいと言っているわけではなく、自己実現のためには経験という糧が絶対に必要で、その経験は目の前の現場にしかないと。ここで踏ん張れば、君たちの将来に絶対プラスになると言いたいのです。

下地:若者の離職率の高さについては、前回対談をしていただいた沖縄トヨタグループの野原社長も大変憂いていらっしゃいました。それで僕も、どうにか、こうした思いや対策の必要性をつないでいけたらと思っているんです。僕ら商工会議所青年部としても早急に取り組む必要のある懸念事項だと感じています。

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(2. 商工会議所のありかた)

○地域の経済力を上げたい、上げないといかん。
会頭から熱い那覇商工会議所。

下地:会頭との初めての会合でおっしゃっていただいた「なんでも挑戦してやりなさい」という言葉は常に大きな励みになっています。僕ら世代で何かを考え、行動へと移していく一連の取り組みについて、心の支えを得られたのは青年部として本当にありがたかったです。同時に、失敗して気づくという大事な機会も得ました。恐らく、会頭が電力で指揮を執っていらっしゃったことを、そのまま商工会議所に反映されたのではないかと思っています。

石嶺:僕はね、皆さんを見ていてすごい!と思ったんですよ。若い皆さんの気概や情熱に触れて。我々も企業という組織の中であらゆる経済活動を行い、地域貢献にも絶えず取り組んではいるけれども、会頭に就いてからはさらに拍車をかけて、地域の経済力を上げたい、上げないといかん、そのために力を尽くしたいという気持ちが高まりました。会頭になったことで、私の意識にも大きな変化があったんです。そのようなこともあり、たとえば去年の沖縄振興税の延長要望時には多くの関係機関を駆け回り、八項目すべての延長を実現させましたし、当初は困難とされていた下地島の航空機燃料税の軽減措置についても閣議決定へと結実することができました。この時は本当に経済界で必死になって要請し、活動を行いました。この熱と思いは商工会議所の会頭に就いたからこそなんですよ。よっしゃやろう!と火がついた感覚です。

下地:そんな会頭の良き力になれるよう、僕ら青年部に対しての要望やアドバイスなどはありますか。

石嶺:皆さんにはむしろ感心しています。皆さんの多くは自分の事業を行うと同時に、青年部の活動にも熱心に取り組み、人的な広がりのみならず、「那覇めし」などといった様々な形と思いで地域に貢献しておられる。私の方こそ、皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。

下地:ありがとうございます!しかし本当に、地域によっては思うこともできない青年部もあるなかで、あれもこれも挑戦できるのは、会頭の応援があってこそです。

石嶺:さしずめ私は青年部の応援団長ということで(笑)

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(3. 次世代につないでいくもの)

○ITを駆使したネットワークづくりと
マッチングを極め、進化した人材育成を。

下地:ところで、僕たちはこれからのYEG世代に対し、何を伝え、どう繋いでいくべきだと思われますか。

石嶺:商工会議所の会員の多くは、個人経営・事業経営がベースになっているわけですから、経営のしっかりとしたノウハウなどの知識をつなぐことは必要ですし、大事なことです。それに加えて、本格的なIoT時代に備え、よりITを駆使した経営基盤を構築することが必要になってくると思います。これは、本人がITを勉強して使いこなすという意味ではなく、ネットワークのなかで、ITの専門家もいれば、事業経営のコンサルの専門家もいる、そういったネットワークを作り、それぞれの会社の企業価値をどんどんどん高めていくということです。

下地:今のそのお話は、次年度の役員にもしかと伝えます。本当にその通りで、これだけ情報があるなかで、すべてが適切かつスピーディーに絡み、お互いの専門力を発揮しあえたらたら、どんなに強くなれるかと日頃から考えていました。

石嶺:そうなんですよね。今や小規模企業にまでITが入り込んでくる時代、それを軽視していては何もできないでしょう。キャッシュレス化になるし、また、ネットワークを強化することによって、それぞれが飛躍するチャンスも生まれます。ITを駆使することで皆さんの本業がもっと伸びる、そういうことです。

下地:次世代というよりも、今、始めなければならないですね、これは。僕ら会員が経営者として生き残るためにも、次につなぐためにも、これは絶対に青年部がやるべきことです。

石嶺:人材育成という意味では、大学との連携も強く望まれます。今以上に、より具体的に産業界と大学が、もっと交わりを持つようにすることですよね。要するに「自分たちはこういう人材が欲しい」ということで人を求める。確かに、採用して育てるという考えもありますが、大学は大学側で、社会のニーズに合った人材を提供できるという新しいスタイルも必要かと思います。産学連携という形はあるが、実用の面でまだ深い議論はなされていない、深化はしていないと感じています。しかし、たとえば商工会議所青年部として、大学側に「こういう人材が欲しい」ということを発信するのも1つの方法かもしれませんね。

下地:現場から伝えないと大学側も分からないはずですしね。早くからマッチングを意識していくという感じですね。これは先にお話しした若者の早期離職を食い止めることにも繋がりますよね。ITと人材育成のことをうまく絡めて僕らの政策提言に取り込み、いかに那覇市と連携してやっていけるか───容易ではない分、チャレンジの甲斐があります。頑張ります。

石嶺:そうですね、いろいろ難しいとは思います。でもね、何回も繰り返しますが、自己実現というような言葉で逃げるなと。今、本当にのめりこんでみなさいと。まずはそこからだと。私から言えるのはもう、これに尽きるんですよ。

下地:いや、本当に。今、最も強く伝えるべき、大切なことだと思います。このメッセージをしっかりと青年部で共有し、僕ら自身への教えとしても、また、人材育成に取り組む会員への黄金句としても、ぜひ活用させていただきます!

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(4. これからの歩み)

○沖縄の経済発展に新たな風を。
YEGならではの元気力と人材育成で貢献したい。

下地:では最後になりますが、今後の抱負などをお聞かせください。

石嶺:商工会議所の会頭は、経済団体会議という沖縄の経済主要団体の取りまとめ役にもなっているので、経済界全体としてはやはり、今の経済好調の腰を折らないように、各方面から支えていき、沖縄の未来づくりという点においては、長期的なスパンで様々なグランドデザインを提案していきたいと思っています。たとえば新たな振興計画に向けては、20年~30年で設定し、その実現のためにバックキャスティングという、未来を起点にして現在を振り返り今なすべきことを考える新思考のもとで取り組みを進めています。那覇空港の旅客ターミナルの移転計画もその1つですね。ビジョンに描いた沖縄づくりを目指し、次代の経済界に繋いでいきたい。輝かしい沖縄づくりを経済界で引っ張っていきたいと考えています。その頃には私も90(歳)を越えていますがね。

下地:会頭なら大丈夫、1000%元気で活躍していらっしゃる。僕は、那覇商工会議所青年部に誇りを持っていて、那覇商工会議所という素晴らしい組織の一翼を担う形で、会頭がお話しされた様々な計画やプロジェクトに向けて、人材育成などのマンパワー活動に力を入れていきたいと考えています。そのためにも、今年増えた人材を次年度の様々な活動に確実につなげられるよう、ともに成長し、しっかりとバトンを渡したい。そして8回目となる「那覇めし」の大成功を目指し、全力で取り組みます。

石嶺:おぉ、頼もしいですね。まさにスローガンのようにボーボーと勢いよく、ですね。

下地:全国どこへ行っても「那覇YEGが来ると元気が出てくる」と評判なんです。これからも沖縄の経済活性と元気向上のために、みんなでボーボーMAXに頑張っていきますので今後とも応援よろしくお願い致します!

2019/03/20